副業でも専業でもせどりって確定申告必要?雑所得と事業所得どっち?令和4年分から改正点あり!

せどりって確定申告必要?雑所得と事業所得の違いは? 記帳・確定申告
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こんにちは、Aasa(あーさ)です。
このブログでは、週2・3の活動で毎月20~30万円を稼いでいる、主婦せどらーの私が、せどりのノウハウについて詳しく解説しています。

 悩むはり君
悩むはり君

せどり始めたんだけど、確定申告ってしないといけないの?

そもそも確定申告って何?

Aasa
Aasa

では、「せどりと確定申告」について詳しく説明していきますね!

私は、出産をきっかけに退職後、育児をしながらできる仕事を探していた時に「せどり」と出会いました。
育児をしながら、しかも物販の知識0からのスタートだったので、最初は不安ばかりでしたが、いろいろな分野のせどりに積極的に挑戦した結果、自分にあった物販を見つけ、開始1年で月商200万に到達することができました。

せどりを始めたばかりの頃の私は、とりあえず利益商品を探すことに必死になり、記帳や確定申告のことは全く頭にありませんでした。記帳しないとマズいと知った後も、簿記の知識はほとんどないし、どうやって記帳すべきか全く分からず途方にくれていました・・・。

当然、この記事で記述している雑所得や事業所得のことも全然知りませんでした。

そんな私でしたが、税金や確定申告について、本やネットなどで調べたり、専門家の方に相談したりでAmazon販売・せどりにおける記帳方法について理解することができました。

そこで、この記事では、自分が得た知識と経験から次の5項目について順に説明します。

  1. 確定申告しないといけないのはどんな人?
  2. 「雑所得」?「事業所得」?違いは?
  3. 「事業所得」のメリットは?
  4. 「雑所得」と「事業所得」の判断基準は?
  5. 令和4年分の確定申告以降の注意点

Amazon販売・せどりを始めたけど副業・趣味程度だから確定申告はしなくていい!というわけではなく、ある程度利益がでたら確定申告をしないといけません。

そこで、よく耳にするのが「雑所得」や「事業所得」という言葉ですね!

聞いたことはあるけどなんとかとか全然分からないという方も多いのではないでしょうか。

初心者の方でも分かりやすく記述していますので、この記事を読めば雑所得・事業所得について詳しく知ることができますよ!

この記事は会計・税務の専門家が記述しているものではありません。免責事項にも記載していますが、当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

この記事を書いた人
Aasa(あーさ)

・金融機関勤務・結婚・出産・退職・2児子育て主婦
・現在せどり8年目・月商400万円前後をうろうろ
・節約と効率化が大好き☆
・せどり週2・3たまにブログ執筆

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確定申告しないといけないのはどんな人?

 悩むはり君
悩むはり君

そもそも「確定申告」って何か教えてくれない?

Aasa
Aasa

では、確定申告の簡単な説明から始めますね!

確定申告は、1年間(1月~12月)に稼いだお金を税務署に申告して税金を納めたり還付してもらったりするものです。

この記事は、個人(個人事業主)の方を対象に記述しています。ですので、確定申告というと「所得税」の確定申告を指し、通常、毎年2月16日から3月15日までの間に前年の収支・利益を申告するものです。

 悩むはり君
悩むはり君

稼いだらしないといけないのね。

じゃあ、具体的にはどんな人が確定申告しないといけないの?

Aasa
Aasa

では、次から具体的に説明していきます☆

確定申告が必要な人

せどりを始めたからといって必ずしも確定申告しないといけないわけではありません。

確定申告しないといけないのは、すごく簡単にいうと次の2パターンどちらかに該当する人です。

確定申告が必要な人
  1. 給与所得者で、給与以外の所得(雑所得)が20万円を超える人
  2. 事業所得者(所得が48万円(基礎控除額)以上ある個人事業主)

(参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁)

せどりをしてる方を対象にしているのでかなり簡単に記述していますが、もっと詳しく知りたい方は国税庁などのHPを確認してください。

Aasa
Aasa

次に、よく話題となる「雑所得」と「事業所得」について説明していきますね☆

「雑所得」?「事業所得」?違いは?

これらは所得税法上で区分されている所得の種類で、それぞれ以下に記述しているような定義や特徴があります。

詳しい内容は後述していますが、事業所得と雑所得のどちらの所得になるのかがよく問題となります。
通常、事業所得の方がメリットが多いので、できれば事業所得として申告したいと考えるんですね。

Aasa
Aasa

まず「雑所得」です☆

雑所得

まず、定義からです。

雑所得の定義

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。
(参考:No.1500 雑所得|国税庁)

定義を要約すると、

給与でもない事業でもない、他の定められた所得でもない。じゃあそれは「雑所得」ね!

というような感じです。

雑所得の特徴
  • 年間の所得(売上-経費)が20万円を超えない限り、基本的には確定申告不要
  • メルカリなどのフリマで得た所得は、基本的には「雑所得」
  • フリマなどで販売したものでも、自宅の不用品処分で得た所得で20万円超えても確定申告不要
  • 他の所得と損益通算(※)できない
    ※赤字の場合、他の黒字の所得(事業所得など)と合算すること

20万円のルールは有名ですね!これを超えると雑所得でも確定申告が必要になってきます。

Aasa
Aasa

次に「事業所得」です☆

事業所得

こちらもまず定義から。

事業所得の定義

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
(参考:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁)

「事業」とは、反復、継続、かつ、独立して行う行為をことをいいます。
(参考:No.6109 事業者が事業として行うものとは|国税庁)

大事なのは、「反復」・「継続」・「独立」の3つですね!

判断基準については後述しますが、要するに「事業所得」は、

「自分で独立してしっかり考えて、何度も継続して安定的に行った行為により得た所得

というような感じですね。

事業所得の特徴
  • 所得が48万円(基礎控除額)以上ある自営業やフリーランスなどの個人事業主は、確定申告が必要(48万円以下の場合は確定申告不要)
  • 副業で赤字が出た場合は、通常、確定申告は不要だけど、確定申告をすることによって次のメリットを得られる。
    給与所得との「損益通算」が可能(所得税などの税負担を抑えられる)
    ②事業の赤字を翌年以降3年間繰り越したり、損失額を前年に繰り戻して還付金を受け取ったりすることができる

給与所得との損益通算ができたり、赤字の場合の損失繰越しや繰戻しができる点が事業所得における大きなメリットですね。

Aasa
Aasa

では、次に「事業所得のメリット」をもっと詳しく説明していきますね!

「事業所得」のメリットは?

「事業所得」と「雑所得」は、売上(収入)から仕入れ代金や経費を差し引いて所得を計算できるという点はどちらも同じです。

 悩むはり君
悩むはり君

じゃあなんで「事業所得」の方が有利っていわれるの?

Aasa
Aasa

では、「事業所得」のメリットについて詳しく説明していきますね!

事業所得のメリットは次の3つが挙げられます。
※副業などでせどりを始めたばかりの方にとって、特に有利になるものを抜粋して記述していきます。

給与所得との損益通算

事業所得の場合は、副業で赤字が出た場合に、給与所得から赤字分(損失分)を差し引くことができます。(雑所得では損失を給与所得から差し引くことはできません。)
(参考:No.2250 損益通算|国税庁)

例えば、ある給与所得者(年間給与額面500万円)の税額を284,500円とします。

【給与所得のみ】
年間の給与収入:5,000,000円
給与所得控除額:1,440,000円
給与所得:3,560,000円
所得税額:284,500円

この人が、せどりを始めたけど100万円の赤字になったとすると、

【給与所得と事業所得(赤字)
年間の給与収入:5,000,000円
給与所得控除額:1,440,000円
給与所得:3,560,000円
事業所得:△1,000,000円
所得税額:158,500円

となり、給与所得と事業所得を合算することにより、税額が低くなりました。(126,000円減額)

 悩むはり君
悩むはり君

これはうれしい!!

Aasa
Aasa

これが「損益通算」といわれるものです。

青色申告特別控除

青色申告者は、次のような一定の条件の下、確定申告を行うことにより特別控除を受けることができます。
(参考:No.2072 青色申告特別控除|国税庁)

【青色申告特別控除】
・複式帳簿による記帳、貸借対照表、損益計算書の作成・提出:55万円控除
(e-Taxによる申告(電子申告)をしている人は65万円控除)
・簡易帳簿による記帳:10万円控除

青色申告については、別の記事で詳しく説明していますので、詳しく知りたい方は是非ご覧ください。

純損失の繰越しと繰戻し

1つ目のメリット(損益通算)のとおり、事業所得の赤字分(損失額)を給与所得から控除しても、まだ赤字分(損失額)がある場合、青色申告者であれば次のような繰越しや繰戻しを受けることができます。(参考:No.2070 青色申告制度|国税庁)

【純損失の繰越しと繰戻し】
・繰越し:赤字分(損失額)を将来の3年間繰り越して、所得から控除可能
・繰戻し:前年の所得から繰り戻して控除して、所得税の還付を受けることが可能

Aasa
Aasa

次に2種類の所得の判断基準について説明します☆

「雑所得」と「事業所得」の判断基準は?

せどりで得た所得を「雑所得」ではなく「事業所得」として申告した方がメリットがあることは、先程記述したとおりですが、だからといって誰でも「事業所得」として申告してよいわけではありません。

 悩むはり君
悩むはり君

じゃあどんな人なら「事業所得」で申告してもいいのさ?

Aasa
Aasa

では判断基準について詳しく説明していきますね。

「こういう場合は絶対に事業所得!」という基準があるわけではありません。

その行為が「事業」つまり「反復、継続、かつ、独立して行う行為」といえるかどうかをいろいろな要素から総合的にみて判断されます。

また、過去の判例からその要素として次の項目があげられます。(参考程度にご覧ください)

事業所得の判断要素
  • 営利性・有償性の有無
  • 継続性・反復性の有無
  • 自己の危険と計算における企画遂行性の有無
  • その取引に費やした精神的あるいは肉体的労力の程度
  • 人的・物的設備の有無
  • その取引の目的
  • その者の職歴・社会的地位・生活状況

つまり、副業・専業に関わらず、せどりにどれだけの時間をかけて、どれだけ利益を得ていて、客観的にみて事業として成立しているかなどをみて個々に判断されるのでしょう。

また、次のように考えている場合は要注意です。

要注意!
  • 税務署に開業届を提出しているから事業所得でOK!
  • 税務署に事業所得として確定申告を提出して、受理されたのでOK!
  • 給与所得と損益通算した確定申告をして受理され還付を受けたのでOK!

    これらは全てOKじゃないです。これらはあくまで事務的に行われるみたいです。

万が一、提出した確定申告で、事業所得として認められず、雑所得と判定されると、事業所得のメリットを受けられないため、損益通算をしている場合や、青色申告特別控除を受けている場合は、修正申告を求められるかもしれません。

 悩むはり君
悩むはり君

まぁなんとなく分かったけど、もっと分かりやすいのないの?

Aasa
Aasa

令和4年分以降の確定申告から具体的な指針が示されそうですので、説明しておきますね!

令和4年分の確定申告以降の注意点

国の政策として「働き方改革」が推進され、働き方の多様化が進み、副業に勤しむ方が増えています。

ということは、副業として「せどり」をする人も増えていると考えるのが自然でしょう。

そのような状況の下、副業として得た所得を「事業所得」とすべきか「雑所得」とすべきかの判断基準を明確にするため、次のような内容が公開されています。(令和4年10月7日公表)

事業所得と業務に係る雑所得の判定は、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。
なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く。)の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する。
(参考:「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案) (雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について)

簡単に言うと、

「事業所得で申告したいならちゃんと記帳して、帳簿・書類を保存しておいてね!でなきゃ雑所得」

ということです。

 悩むはり君
悩むはり君

じゃあ、記帳と帳簿保存さえしておけば、基本的には「事業所得」で申告しても良いってこと?

Aasa
Aasa

そういうわけではなさそうですね。

上述の内容を表にしてみると、こんな感じです。

  社会通念上「事業」といえるか
いえる いえない
収入300万円超 事業所得 事業所得or雑所得
収入300万円以下 事業所得or雑所得 事業所得or雑所得

さらに上の図の赤字箇所の場合、「事業所得か雑所得の判断」が必要となり、その判断基準は次のとおり。

事業所得か雑所得の判断基準
  • 記帳と帳簿保存がない。⇨雑所得
  • 記帳・帳簿保存がある。でも、社会通念上「事業」じゃない。⇨雑所得
  • 記帳・帳簿保存がある。かつ、社会通念上「事業」である。事業所得

つまり、「収入300万円超+社会通念上事業」以外の場合は、次の2点を満たさないと事業所得にできないということですね。

  1. 記帳・帳簿保存をしている(←今回の改正で追加された要件)
  2. 社会通念上「事業」であること
Aasa
Aasa

この改正によって、副業などで働く方がその収入を事業所得として申告するには、記帳・帳簿保存の要件が追加されたので、さらにハードルが高くなったといえます。

【参考】令和4年8月公表案

※この項目の内容は上述のとおり既に修正されています。(参考に修正前の内容をそのまま残しています。)

そのような状況の下、副業として得た所得を「事業所得」とすべきか「雑所得」とすべきかの判断基準を明確にするため、次のような通達の改正案が公開されています。(令和4年9月現在)

事業所得と業務に係る雑所得の判定は、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定するのであるが、その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証のない限り、業務に係る雑所得と取り扱って差し支えない。

簡単に言うと、

「副業の場合、年間の売上(収入)が300万円以下なら、それは雑所得ね!」

ということです。

【参考】あくまで目安ですが、1か月25万円の売上(平均月商25万円)以下で1年間継続すれば雑所得になりますね。

Aasa
Aasa

でも、これをクリアしたからといって自動的に事業所得になるというわけではありません。

あくまで、その判断は、

副業・専業に関わらず、せどりにどれだけの時間をかけて、どれだけ利益を得ていて、客観的にみて事業として成立しているかなどをみて個々に判断される

ということですね。

まとめ

この記事では、せどりをしている方にとっての確定申告について、さらに雑所得と事業所得の判断基準について説明しました。

雑所得と事業所得の判定は難しいところではありますが、ご自身のせどりとしての活動実態をよく確認して、どちらの所得かを判定しましょう。

せどりの活動をしている方向けに、記帳や確定申告に関する記事を掲載していますので、気になる方は是非ご覧ください。

では、最後までご覧いただきありがとうございました。

会計ソフトを導入しよう!

せどりを始めたばかりの方は、エクセルでの記帳も可能だと思いますが、少しでも軌道に乗り始めるとかなり面倒になってきますし、正直言ってずっと自力で管理するのは時間の無駄です。

簿記の知識がなく、どのように記帳してよいか分からないという方でも、エクセルで自力で管理しようとせず、早々に会計ソフトを導入を検討しましょう。

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